日本禁煙科学会 第二回学術総会 参加御礼
第2回 日本禁煙科学会 学術総会会長
高橋裕子
12月1日、2日の2日にわたり、奈良県新公会堂にて開催させていただきました日本禁煙科学会の第二回学術総会は盛会裏に無事終了しましたことを、心からの感謝とともにご報告申し上げます。ご参集くださいましたみなさまに、厚く御礼申し上げます。
幸いにも会期中さわやかな秋晴れに恵まれ、奈良公園のベストローケーションに位置する新公会堂からは東大寺や若草山の紅葉を堪能いただけたことと存じます。
2日にわたるプログラムを、本科学会の特徴に即して、ごく簡単に報告申し上げます。
本科学会のひとつの特徴としまして、「幅広い分野からのアプローチ」があります。
今回の学術総会では医療系以外の領域からのアプローチとして、
- シンポジウム1「スポーツと禁煙」
- (座長:東山明子教授 畿央大学)
- 特別講演1「保健予防活動の経済学」
- (西村周三教授 京都大学副学長・経済学)
- 教育講演2 「禁煙推進のための法的整備」
- (中川利彦弁護士 パークアベニュー法律事務所)
- 心理学分科会「たばこを吸わない社会づくり:心理学からの貢献」
- (コーディネーター:山田冨美雄教授 大阪人間科学大学)
の4つのセッションが提供されました。
また医療分野では、
- 市民公開講座「たばことお肌の健康」
- (森田明理教授 名古屋市立大学皮膚科)
- 記念講演「脱タバコ社会の実現に向けての日本学術会議の取り組み」
- (大野竜三教授 愛知淑徳大学医療福祉学部、愛知県がんセンター名誉総長)
- 学会賞受賞講演「わが国のたばこ対策の歩みと将来の課題」
- (富永祐民名誉総長 愛知県がんセンター)
- 特別講演2「A global perspective of tobacco control」
- (Dr.Harley J Stanton President APACT)
- 特別講演3「今後の生活習慣病対策と特定健診・保健指導について」
- (石井安彦室長補佐 厚生労働省 健康局 生活習慣病対策室 )
のみなさまにすばらしいご講演を頂戴しました。
またシンポジウム2「田坂佳千メモリアルシンポジウム 家庭医療における禁煙支援」では家庭医における禁煙支援が、シンポジウム3 「各種疾患における喫煙の影響―いまなぜ禁煙か?」では呼吸器疾患、循環器疾患、糖尿病における喫煙の影響と禁煙の重要性が、シンポジウム4「歯科医療における禁煙活動の潮流」においては歯科での禁煙教育と禁煙支援体制の必要性についての討議がなされました。なお会長講演は「長期禁煙支援」とさせていただきました。
これらの非医療系、医療系のプログラムに加えて、教育分科会1、教育分科会2ではプロの教職者と医療関係者が、地域行政分科会では行政・企業・地域禁煙推進のみなさまが医療者とともに分科会を構築し「幅広い分野からのアプローチ」の実現を具体的にお示しくださいました。
さて禁煙科学会の特徴の2つめは、「分科会」です。
今回は「職域」「教育1」「教育2」「クリニカルパス・保険診療」「地域・行政」「女性」「大学禁煙化」「未成年喫煙防止」「家庭医療(田坂メモリアル)」「小児1」「小児2」「精神科」「心理学」「薬剤師」「コラボレーション」の15の分科会がワークショップ、レクチャー、討議などそれぞれに特色あるプログラムを組んで発表されました。次年度には「歯科」も分科会として加わっていただけることが今年度の「シンポジウム4歯科」で発表されました。
本科学会の3つ目の特徴は「充実した講習会・教育啓発プログラムの提供」です。
1997年から提供されてきた禁煙マラソンの社会貢献の一環である全国禁煙アド講習会は、今年度で42回を迎えます。禁煙科学会の講習会はその流れのもと、「禁煙も禁煙支援も楽しく」をモットーに提供していますが、今回も午前中は基礎講習としての知識の吸収を、午後には心を動かす一言のワークを実施しました。また教育講演1「禁煙科学のEBM」
(中山健夫教授 京都大学大学院医学研究科)教育講演2 「禁煙推進のための法的整備」(中川利彦弁護士 パークアベニュー法律事務所)教育講演3 「呼吸器疾患と喫煙」 (木村弘教授 奈良県立医科大学第二内科学) の3つの教育講演はいずれもわかりやすく立ち見のでる盛況でした。
以上禁煙科学会の3つの特徴に即して簡単にプログラムを紹介を申し上げましたが、なによりすばらしかったのは、70題を超える優秀な一般演題でした。座長をお勤めくださいました先生方、ご講演・ご発表くださいましたみなさまに厚く感謝申し上げます。
プログラム構成や運営の不備によりご不便をおかけしたこともあったと存じます。深くお詫び申し上げます。
次回、第3回学術総会は、聖路加国際病院の日野原重明先生に会長(名誉会長)として平成20年11月15日(土)16日(日)に開催いただきます。日野原先生のご講演は11月15日(土)です。ぜひご参加ください。
- 分科会募集 :平成19年12月10日から3月末日予定
- 一般演題募集:平成20年4月1日から7月末日予定
- (JASCS通信、KKメール、JASCSのHPに掲載)
講 演
◇理事長挨拶2007年12月1日 10:00-10:10 能楽ホール
日本禁煙科学会理事長、奈良県立医科大学学長
吉田 修
◇総会会長講演2007年12月1日 11:15-11:35 能楽ホール
「長期禁煙支援」
日本禁煙科学会副理事長、奈良女子大学 保健管理センター教授 高橋 裕子
◇総会賞受賞記念講演2007年12月1日 11:35-12:00 能楽ホール
「わが国のたばこ対策の歩みと将来の課題」
愛知県がんセンター名誉総裁長 富永 祐民
◇記念講演2007年12月1日 11:00-11:15 能楽ホール
「脱タバコ社会の実現に向けての日本学術会議の取り組み」
愛知淑徳大学医療福祉学部教授、愛知県がんセンター名誉総長 大野 竜三
◇公開市民講座2007年12月1日 14:00-14:50 能楽ホール
「たばことお肌の健康」
名古屋市立大学皮膚科教授 森田 明理
◇特別講演 12007年12月1日 13:00-11:50 能楽ホール
「保健予防活動の経済学」
京都大学副学長(経済学) 西村 周三
◇特別講演 22007年12月1日 15:00-16:30 能楽ホール
「Promotion on tobacco control, an Austrarian experience」
President APACT Dr.Harley J Stanton
◇特別講演 32007年12月2日 13:10-14:00 レセプションホール
「今後の生活習慣病対策と特定健診・保健指導について」
厚生労働省 健康局 生活習慣病対策室 室長補佐 石井 安彦
◇教育講演 12007年12月1日 18:10-19:00 2F会議室(4)
「禁煙科学のEBM」
京都大学大学院医学研究科 教授 中山 健夫
◇教育講演 22007年12月2日 9:00-10:00 2F会議室(4)
「禁煙推進のための法的整備」
和歌山市パークアベニュー法律事務所 弁護士 中川 利彦
◇教育講演 32007年12月2日 14:10-15:00 レセプションホール
「呼吸器疾患と喫煙」
奈良県立医科大学 第二内科学(呼吸器・血液内科) 木村 弘
シンポジウム
◇シンポジウム 12007年12月1日 10:10-11:00 能楽ホール
「スポーツと禁煙」
座長:畿央大学教授 東山明子
◇シンポジウム 22007年12月1日 18:00-19:00 1F 会議室(1)
「田坂佳千メモリアルシンポジウム 家庭医療における禁煙支援」
座長:名古屋大学総合診療科 教授 伴 信太郎
中西内科(広島市) 中西 重清
◇シンポジウム 32007年12月2日 10:15-11:15 2F 会議室(3)
「各種疾患における喫煙の影響―いまなぜ禁煙か?」
座長:奈良県立医科大学第一内科学(循環器・腎臓内科) 斉藤 能彦
奈良県立医科大学第二内科学(呼吸器・血液内科) 木村 弘
◇シンポジウム 42007年12月2日 10:15-11:45 2F 会議室(4)
「歯科医療における禁煙活動の潮流」
座長:松本歯科大学歯科薬理学大学院口腔内科学教授 王 宝禮
コメンテーター:日本歯科大学新潟生命歯学部口腔外科学教授 山口 晃
その他
◇その他の演題等※詳細はプログラムをご覧下さい。
- ランチョンセミナー
- イブニングセミナー
- 一般口演
- ポスター
- 禁煙支援講習会
- 会員総会