平成20年11月6日

【第3回総会アナウンス】 プログラム紹介(3)  【kk】2008/11/5配信

会員各位

 【第3回総会アナウンス】プログラム紹介 リレー講演

日本禁煙科学会 副理事長(学術総会担当) 高橋裕子

 来る11月15日(土)16日(日)に聖路加看護大学にて開催されます第3回日本禁煙科学会(会長 日野原重明・聖路加国際病院理事長)の魅力的なプログラムの数々を、順次紹介しています。

  【リレー講演】
    11月15日(土)13:50-14:40 リレー講演 メーンホール
    テーマ 「禁煙研究の最前線 たばこ1000円時代を迎えて」 

      「要望 脱タバコ社会の実現に向けて」
        大野竜三 愛知県がんセンター名誉総長・愛知淑徳大学医療福祉学部教授 
      「たばこ価格と思春期の喫煙」
        兼板佳孝 日本大学医学部社会医学系公衆衛生学分野准教授
      「コンジョイント分析を用いたたばこ税収試算」
        五十嵐中 東京大学大学院 特任助教

           座長 高橋裕子 奈良女子大学保健管理センター長・教授

 このリレー講演では、たばこ価格に関して日本学術会議の立場から大野竜三先生が、子どもの喫煙に関して兼板佳孝が、そして私どもの研究班がこの9月に記者発表した試算について五十嵐中先生から講演いただきます。いずれも新聞等、メデイアでたくさん取り上げられた発表ですが、きちんと論拠まで聞いていただく機会は意外と少なかったと思います。この機会にしっかりと理解いただきたく、このリレー講演を組みました。

 一般演題発表や「教育分科会」とバッテイングしていますが、関心あるみなさまのご参集をお待ちします。

【抄録掲載文】

 たばこ価格を上げることは多くの公衆衛生学的なメリットを持つものであり、未成年の喫煙開始を防止し、たばこ関連疾患に関する医療費や所得・労働力・税収の損失などの健康面の損失、火災に伴う損失、清掃費用など環境面の損失、喫煙時間分の労働力の損失など様々な社会的損失も防止する。日本学術会議では「脱タバコ社会の実現に向けて」の要望書の中で、たばこ価格値上げについて言及した。しかしたばこ価格を値上げすることに対しては反対意見も存在する。

 厚生労働省科学研究班「禁煙の経済影響に関する研究」研究班(研究代表者:高橋裕子 奈良女子大学教授)では、平成18年度から喫煙や禁煙に関する経済影響について研究をすすめてきたが、9月18日に「たばこ増税が総税収に及ぼす影響の推計〜コンジョイント分析に基づく推計」として日本禁煙科学会 学術誌「禁煙科学」Vol 2(4)(20年8月発刊)にたばこ価格を上げても税収は減少しないとの試算結果を公表した。また厚生労働省科学研究班「未成年者の喫煙・飲酒状況に関する実態調査研究」(研究代表者:大井田隆 日本大学教授)では子どもたちの喫煙の動向について調査を重ね、現在喫煙している中高生の約42%が、「1箱1000円になればたばこをやめる」と回答したことを発表した。これらはいずれもすでにメデイアに取り上げられたが、その論拠をきちんと知ることは禁煙の推進に有用である。


文書名:日本禁煙科学会からのお知らせ等
Copyright(C)2008 日本禁煙科学会(http://www.jascs.jp/) All Rights Reserved.