2008年2月
日本禁煙科学会理事長
吉田 修
日本禁煙科学会の前身である「全国禁煙アドバイザー育成講習会」では、この 8年間に40回を超える緻密な講習会を全国で開催して人材の育成を図るとともに、一定の実績を有すると認めた参加者に対して「禁煙支援士認定」を行うことでいっそうの自己研鑽を促してきました。
現時点では禁煙治療や禁煙外来をおこなうに際して何らかのサーテイフィケーション(認定や専門などの資格)を必要としません。しかしながら「禁煙」をサポートするには、禁煙に特化した若干の医学知識だけでは足らず、十分な知識とスキル、さらに各人の専門性と人間性に基づいた支援の心が必要です。
日本禁煙科学会ではこの認定を受け継いで実施することとし、認定委員会を設置して討議を重ねてきましたが、このたび、決定しましたのでお知らせします。
なおこの認定は講習会参加実績と禁煙支援実績(禁煙普及実績)に対して授与されるものであり禁煙の研究成果等に対しては別の顕彰を準備しています。
また今回の認定では「専門」の語を用いません。専門とは「麻酔科専門医」「脳外科専門医」「泌尿器科専門医」などに表されるように、高度な特殊性をもって生涯の業となす場合に適用される語でありますが、禁煙支援の場合はこれと異なり、現在の各人の専門性をベースに社会のいたるところで発揮されるべきであって特殊な専門家を育成することで足りるのではない、との理念に基づきます。