日本禁煙科学会

日本禁煙科学会  設立趣意書


設立趣意

 「たばこ規制枠組み条約」(Framework Convention on Tobacco Control: FCTC)が2005年2月に発効しました。しかし若い世代の喫煙や飲食店などでの受動喫煙をはじめとして、家庭や学校、職場、地域などでは依然、解決すべき課題が山積みとなっているのが日本の現状です。

 タバコの害をふせぎ健康な社会とクリーンな環境を実現してゆくためには、すべての人々が力をあわせ禁煙を推進することが必要です。その一翼を担うべく、有志のみなさまのご賛同ご支援を得て「日本禁煙科学会」を設立します。

 1997年から「全国禁煙アドバイザー育成講習会」が、2003年からは「未成年喫煙防止研究会」が開催されてきましたが、本学会はこれまでの経過をもとに、さらに多くの社会的責任を果たすことができるようにするものです。

 本学会の特徴は以下の三点です。

1)「禁煙科学」研究の確立と推進:
 政府、地方自治体、企業、学校、個人などが喫煙対策を進めるための科学的なエビデンスが得られるように、学会活動を通じてサイエンスとしての「禁煙科学」研究の確立と推進をはかります。
2)すべての分野に開かれた学会:
 禁煙はすべての分野に関連する事柄であることから、医学・教育・社会学・経済学・心理学等、すべての分野で研究や実践に携わる人たちに参加いただき、社会と個人の禁煙に資する学会活動を展開します。
3)研究成果の社会還元:
 従来からの研究会、講習会の基盤のもとに広く禁煙科学研究の担い手を育成するとともに、研究成果を禁煙推進に還元し、人々の健康と子どもたちの喫煙防止に貢献することで社会に貢献します。

 多くのみなさまに広くご参集いただくことにより、活発な禁煙推進と研究活動が展開され、国民の健康に貢献することを期待いたします。なお本学会における禁煙とは、smoking cessation を基盤としつつ、広く受動喫煙防止や喫煙防止教育を含みます。

   平成18年(2006年)5月29日
                         日本禁煙科学会 理事長 吉田修
                             奈良県立医科大学 学長